Bad Girl~不良少女~
とりあえず靴を脱いで居間へ入ると、おばあと向かい合って座る。
「それで?どうかしたのかい?」
3度目のおばあの質問に、ちょっと考えてから答える。
「おばあ……知らねぇの、うちの状況」
「…栗崎さんのことかい?」
…やっぱ知ってたのか。
小さく頷いて、とりあえず一通りの説明をした。
「……なるほどね。稜、いつのまに女の子になっちゃって」
「いや、そこじゃねぇだろ、反応するとこ」
この説明をするうえで、うちと栗崎が付き合ってるという事実も隠しておくわけにはいかなかったので話した。
おばあは、全部聞き終わってからまず、そう言葉を発した。
「とりあえず、今するべきことは見えていますか?」
「……いいや、なんにも」
栗崎の家に行ったのはいいけど、あいつから期待していた答えを聞けたわけじゃないし、解決策なんか一つも見つからない。
「…あなた以外に、栗崎さんと戦える人はいないんです。
この家を栗崎さんの下に入れるも、対立するも、あなた次第。全部あなたに任せます。
利益を考えると、栗崎さんの下に入ったほうがいい場合もありますよ。よく考えて、あなたがしたいようにしてくれればそれでおばあは十分です。
…責任はおばあもとりますから」
おばあの言葉は、うちの頭を雷が落ちたように激震させた。