Bad Girl~不良少女~
したいように、って言われても分からない。
利益、って言われても分からない。
うちには、この家の事を任せてもらえるだけの度量はないし、いろんなことを考えるだけの頭脳もない。
「でも、うち一人じゃなにも……」
「なんのために、あなたをこの家の次期当主に選んだと思ってるんですか」
おばあはまるで勝ち誇ったかのような笑みを見せる。
「え?」
「あなたには、香矢と三波がいるじゃないですか。あなたを当主にしたのは、一番度胸があるからです。
香矢には野心がなさすぎるし、三波は血の気が多すぎる。あなたが一番当主に向いているんですよ?
それでいて、何かあれば頭脳派の香矢が助けてくれる。肉体派の三波が助けてくれる。
なにを悩む必要がありますか。最終的な判断は稜、あなたに任せますが、それまでは3人で話し合ってもらって結構です。
3人で力を合わせて解決なさい」
「おばあ……」
なんか、おばあがここまで熱く語ってるとこ見たことないからびっくりした。
でも、おばあの言葉で背中を押された気はしてる。
2人が帰ってきたら、ちゃんと話をしてみよう。
おばあにもじいにも親父にも母さんにも、ちゃんと意見を聞いてみよう。
そう決めると、なんだか胸がスッとした。