Bad Girl~不良少女~



香矢の意外過ぎる話を聞いて、なんとなく雰囲気が重くなる。


「でさ……それでもお前は栗崎と対立すんのか?」


三波が沈黙に耐え切れなくなったのか、ちょっと視線を外しながらうちに問う。


正直、香矢の話で心が揺らいだ部分もある。


だけど、香矢の言うとおり、うちのやつらはちょっとやそっとで潰されるような玉のやつらじゃない。


「……うちは、この家のやつらを信じようと思う。


栗崎とのことは…大丈夫、なんとかなる。それより今は、家のことだろ?」


力強く言い切ったうちに、2人は心なしか表情を明るくした。


「そんじゃ……みんなで作戦会議だなっ」


こうなると三波は血が騒ぐのかいきり立った。


「親父とじいと母さんが帰って来てからな」


そんな三波をなだめるように香矢が冷静に言う。


とりあえず今日の夜、みんなに事の次第を話して、どうするか考えようと思う。


それまでは、栗崎のことも頭から追い出そう。


そう心に決めて、香矢のベッドに横たわる。


「おい、稜。寝るなよ、そこで」


香矢のそんな言葉も最後まで聞けず、うちは夢の世界へ旅立った。


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