Bad Girl~不良少女~
「……ぃ…りょ…」
「んっ…」
「…お…い…。おい、稜っ!!」
「んあ!?」
急に耳元ででかい声がして、心臓が跳ね上がる。
「な、なんだ香矢かよ…」
うちの目の前に現れたのは呆れたような顔の香矢。
「なんだじゃねぇよ。親父たちそろったぞ。…さっさと話し始めっぞ」
いつの間にか寝てしまっていたうちに毛布まで掛けてくれたのに、ちょっと冷たい香矢にニヤっとする。
「さんきゅ。…始めっか」
キョトンとしてる香矢を置いて部屋を出て、勢いよく階段を降り切る。
「ちょ、稜…」
後ろで香矢がなにか呟いたけど、そんなの知らない。
居間の襖を開けると、もうすでに三波がみんなを集めていた。
「お、起きたか。稜」
「ん。おはよ」
もう外は暗いっていうのに似つかわしくない挨拶を交わす。
「稜、なあに、話って」
久しぶりに母さんの声聞いたかも……。
なんてどうでもいいこと考えて、みんなの中心に座る。