Bad Girl~不良少女~
親父はなんのことだかわからないようで、首を傾げていたけど、うちはフッと笑う。
「あいつとは、どうなるかわかんねぇけど、とりあえず今は栗崎の親父黙らせる方が先だろ」
もうあんまり栗崎の事は考えたくない。
だから、今はほかの事に集中したい。
「そう。じゃ、あたしも遠慮なく暴れさせてもらうかな」
立ち上がって、肩をぶんぶん回し始めた母さんに苦笑を漏らす。
「よし。歌南虎がその気なら、俺も全力でやるよ」
親父もあぐらをかきながら、なんともかっこよく決める。
「ただケンカで勝負したってしゃーないから。俺は心理戦で行かせてもらうよ」
香矢が腕を組みながら、ニヤッと笑う。
ほんと、この人たちに任せておけば、どんな相手でもぶっ潰せそうな気がする。
「私は香矢と心理戦をさせてもらいます」
おばあがいつになく輝いた目をして微笑む。
「……ありがとう。うちは、全力でケンカしてくる」
三波以外のメンツを見回して、大きく頷く。
そのとき、急に表が騒がしくなった。
敵が攻め込んで来たのかと、慌てて玄関のドアを開ける。
「稜さんっ!!俺、死んでもこの家守り抜いて見せますっ」
「親父さん!!俺らにできることなら、なんでも言ってくれ!!」
そこにいたのは、離れにいたであろう子分たちで、口々にわーわー騒いでいた。