Bad Girl~不良少女~
別に座り込んでまで話すことじゃないから、ドアの近くで口を開く。
「どうやら香矢たちの作戦に何人か子分が必要になるみてぇで、子分たちグループ分けしてくんねぇか?」
「おう、任せとけっ。3つくらいにわけときゃいいか?」
自分にもなにかできることがあると分かったのが嬉しかったのか、三波は弾んだ声で返事をした。
「さぁ…。詳しいことは香矢に聞いて」
うちの言葉を最後まで聞かず、三波は部屋を飛び出していった。
クスッと笑いを洩らして、自分の部屋に戻る。
机に置きっぱにしておいたケータイを見ると、通知を知らせるランプがついていた。
「……聖華…」
うちが下に降りてすぐ、聖華からメールが入っていた。
"このメール見たら、電話して。聞きたいことがあるの。"
そう綴られたメールからは、あまりいい気配を感じない。
きっと、聖華もなにか感づいてはいるんだろうけど……。
聖華まで巻きこむわけにはいかないし、全部を離せば、栗崎たちに狙われる可能性だってある。
でも、きっとすごく心配してくれてるんだろうな…。
聖華の気持ちを思って、とりあえず電話をすることにした。