Bad Girl~不良少女~
「起立。気を付け。礼。着席」
ピシッとした号令にも関わらず、みんなはだれた礼しかしない。
「えー、き、今日は職員会議があるので、みんな早く帰ってね」
相変わらずしどろもどろなみどり先生の連絡が終わり、また号令がかかる。
「さようなら」
「さよーならー」
只野くんの挨拶で1日が終われば、それぞれ机を下げて、掃除場所に向かったり、部活に向かったり、帰路に就いたりする。
うちは掃除の間、居場所がないからとりあえず廊下に座り込む。
「はいはい、真木。廊下は座る場所じゃねぇぞ」
学年主任の強面な先公が注意するけど、ギロッと睨み返して動きもしない。
こんなことは日常茶飯事だから、学年主任もそれ以上なにも言わず笑って去って行った。
掃除が終わり、机がきれいに並べられてる。
自分の席に着いて、また同じように突っ伏す。
「ねぇ、真木さん。帰らないの?」
隣の席の女の子が声をかけてきたけど、小さく頷いただけで顔をあげることもしない。
「そっか。じゃあね、また明日」
バイバイ、なんて言って教室を出て行った彼女は、何て名前だっけ。
このクラスの人たちは、半分以上名前が分からない。
覚えようと思ったこともないんだけど。
そんなことを考えながら栗崎が来るのを待った。