Bad Girl~不良少女~



栗崎の言った言葉の意味が、まったく分からない。


どういうことだよ…。


目を泳がせて訳が分からないと必死に頭を整理していると、スッと栗崎の腕が離れて回り込まれていた。


「ちゃんと理解した?」


首を傾げてちょっとバカにしたような口調で言われても、理解してないもんはしてない。


ふるふると首を振れば、本当に可笑しそうに笑う。


「なっ…笑うことねぇだろーが。意味分かんねぇんだけど」


ぶーっと頬を膨らませて抗議する。


「だから……俺と稜ちゃんは、ずっと一緒に居れるの」


ストンとその場に腰を下ろした栗崎はちょっと考えるように遠い目をした。


「もし、親父が無理やりでも美麗と結婚させようとすれば、俺はあの家を出るよ。


稜ちゃんの家は護りきれないかもしれないけど、稜ちゃんと一緒に居たいから」


考えをまとめたような、真っ直ぐな目を向けられてやっと理解した。


「で…でも……それじゃあなんの解決にもならねぇよ」


なんのために、栗崎の家に乗り込んだんだか分かんなくなる。


栗崎のこと諦めてまで家を護ろうとしたっていうのに、意味がなくなる。


「……たぶん、美麗の親は、俺との結婚が無くなれば提携も白紙に戻そうとするはずだ。


だけど、うちの親父は結婚がなくても提携するように持ちかける。自分がやりたいと思ったことは、今までどんな手を使ってでも成し遂げてきた男だ。


どうにかして丸く収めようとするだろうから、最終的に俺らは放っとかれるよ」


大丈夫、と明るく笑った栗崎を見てて、やっぱりうちとは頭の出来が違うんだと思った。


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