Bad Girl~不良少女~
一瞬時が止まったような感覚に襲われた。
「は……?」
″また戻ってきて欲しかった″?
全然意味が理解できねぇけど。
「うちが家に行った意味を分かっててうちのこと抱いて、戻ってくると思ってたのかよ!?」
だんだん語尾が荒くなったけど、栗崎はずっと余裕な表情をしていた。
「そう。どんなことしても稜ちゃんが戻ってくる気がないんだって分かったら、抱かなかったよ」
言いながらバイクの後ろに腰掛けた。
「……全く意味が分かんない…」
ポツンと呟いたうちを見てちょっと笑いながら、小さく頷いた。
「稜ちゃんには分からないかもしれないね。
でも、俺は何があっても稜ちゃんを離す気なんかないってことは分かってて」
またうちの嫌いな……心臓が変な音を立てる笑顔を見せて、栗崎はよっとバイクに跨った。
「さ、帰ろうか。家まで送ってよ」
悪戯っぽく笑ってメットをかぶった栗崎に急かされて自分もバイクに乗る。
「だから、普通逆だろって」
苦笑を漏らしつつエンジンをふかして、河原を後にした。