Bad Girl~不良少女~



「おっおい!!何してんだよ!!」


案の定、慌てた様子で俺の腕を掴んで離そうとする。


「友也が稜ちゃんを好きになった理由、わかる気がする。


俺も、稜ちゃん好きだよ。あ、もちろん友也とは違う意味でね」


なんだかんだ、人を見る目はある友也が好きになった子だもん。


見た目がどうでも、家がどうでも、俺の腕の中にいる彼女は紛れもなくいい子だ。


……ペット的な意味も込めて。


「なぁ、もうチャイム鳴ってんぞ?授業始まってると思うんだけど」


腕を離したと同時に稜ちゃんの放った言葉は、俺の脳裏に電撃を走らせた。


「やばっ!!怒られる!!じゃね、稜ちゃんっ」


せかせかと走りながらも手を振れば、おかしそうに微笑んでくれた。


「すいませんっ、遅れました!!」


「綾村、珍しいな。早く席着け」


日頃の行いのおかげか、先生に咎められることもなく済んだ。


……稜ちゃんに会ったことは、口が裂けても友也には言えないかな。


たぶん、すごい勢いで殺される。


< 424 / 438 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop