Bad Girl~不良少女~
その子は、稜ちゃんの腕を引っ張りながらうきうきした様子。
「あ、じゃなくて!!綾村先輩んとこ、行こう?」
俺のとこ?
きょとんとして立ち尽くしていると、友也と目が合う。
「聖華ちゃん……翼なら、そこにいるけど」
少し言いにくそうに友也が俺の方を指を差せば、その子は振り向いて顔を真っ赤にする。
「キャっ!!綾村先輩!!おはようございますっ」
昨日と同じようにぴょこっと頭をさげた彼女……聖華ちゃん。
うん、やっぱりかわいい。
俺の周りの女たちとは雰囲気も反応もまるで違う。
聖華ちゃんに挨拶をして目線をあげれば、稜ちゃんと目が合う。
昨日のこともあって、俺と稜ちゃんの間には秘かに通じるものがあって、思わず微笑みあう。
「え、何!?なんで綾村先輩が稜に笑いかけるわけ!?」
「は、お前俺の女に手出そうってのか!?」
聖華ちゃんがぐぐっと稜ちゃんに、友也が俺に詰め寄る。
「俺と稜ちゃんとの秘密だよ。ねぇ」
2人は必死になってるけど、俺らは余裕綽々といった感じで笑いあった。