Bad Girl~不良少女~



その後もしばらくギャーギャーと騒ぎ立てる2人をよそに、俺は涼しい顔で聖華ちゃんを眺めた。


……怒っててもかわいいかも。


俺と話してるときのような少し恥ずかしがっているような雰囲気とは違って、稜ちゃんに突っかかっていく様子は稜ちゃんに引けを取らないぐらい迫力がある。


そういうギャップも、またいい。


「ったく…お前、自分で思ってるよりいい男なんだからな。稜ちゃんに手出すなよ」


「分かってるって。稜ちゃんかわいいけど俺のタイプじゃないし」


冗談ぽくそう言えば、友也は心から安心したようなため息をついた。


「で?翼はどうなの?」


「え?何が?」


席に座った途端に、友也が足を組みながら聞く。


「聖華ちゃん、だっけ?あの子とどうなの」


「なんでそういうことになるの?別にどうでもないよ」


彼女がおそらく俺のことを好きなんだろうとは思うけど、告白されたわけでもないし。


いい子だとは思うし、かわいいとも思うけど、だからって俺から告白しようって気もない。


「……いい子だよ、あの子。稜ちゃんのことも、ちゃんと考えてくれてるし。俺はお似合いだと思うけど?」


俺の返事が気に食わなかったのか、友也がちょっとぶすっとして言う。


「そう?ま、もう少し様子みようと思う」


まっすぐ目を見て言えば、友也も納得したようにうなずく。


「そうだ、今日4人で遊びに行こうよ!!翼誘ってきて」


急に思いついたように声を大きくした友也の命令を受け、俺はまた2年の教室へ向かった。


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