Bad Girl~不良少女~
まだみどり先生は来ていない2年B組の教室後方へ歩いて行く。
…友也が、稜ちゃんの席は教室の1番後ろだと言っていたから。
「_____________栗崎が好きなんだから、綾村なんか好きになるわけないでしょ!!」
ピタっ……。
ドアが開いていて、教室に近づくに連れて聞こえてきた声が、俺の足を止める。
この声は、聖華ちゃんじゃない。
明らかに、稜ちゃんの声だ。
じゃあ、“栗崎を好き”って言うのは、稜ちゃんが…?
……なんか悔しいな。
友也に負けた気がして、らしくもない感情だ。
「__________綾村先輩が稜なんか好きになるわけないよね!!」
急に自分の名前が出てきたことで、ハッと我に返る。
そっと入り口に近づけば、聖華ちゃんがなにやら飛び跳ねていた。
「……稜ちゃん…ホント?」
そんな聖華ちゃんも気になったけど、それよりもっと気になることがあったから。