Bad Girl~不良少女~



「なんだよ、ホントって」


さっきまで飛び跳ねてた聖華ちゃんが石みたいに固まっている。


「……稜ちゃんが、友也のこと好きだって」


「…だったら何?」


相変わらずめんどくさそうな応答だけど、稜ちゃんもちゃんと友也を好きなんだって分かった。


…勘、ね。


「いや、別に。友也が喜ぶだろうなぁと思って」


俺には、友也の喜んだ顔と勝ち誇ったような態度が目に浮かぶ。


「綾村、絶対言うなよ。………栗崎に!!絶対言うなよ」


ちょっとだけ照れたような表情で、稜ちゃんは俺に牽制をする。


「分かってるよ。絶対言わない」


稜ちゃんに片目を瞑って見せて、本来の目的のため聖華ちゃんの方へ歩き出す。


「ね、聖華ちゃん、今日暇?」


「えっ?」


ちょっと微笑みながらそう問えば、驚いたように目を見開く。


「いや、暇ならさ。友也と稜ちゃんとダブルデート、しない?」


「はい、します!!」


俺の質問が終わる前に、食い気味で返された。



「ちょ、おい!!」


稜ちゃんはなんだか不満そうだったけど、聖華ちゃんの迫力に押されて了解した。


< 429 / 438 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop