Bad Girl~不良少女~
「なんだよ、ホントって」
さっきまで飛び跳ねてた聖華ちゃんが石みたいに固まっている。
「……稜ちゃんが、友也のこと好きだって」
「…だったら何?」
相変わらずめんどくさそうな応答だけど、稜ちゃんもちゃんと友也を好きなんだって分かった。
…勘、ね。
「いや、別に。友也が喜ぶだろうなぁと思って」
俺には、友也の喜んだ顔と勝ち誇ったような態度が目に浮かぶ。
「綾村、絶対言うなよ。………栗崎に!!絶対言うなよ」
ちょっとだけ照れたような表情で、稜ちゃんは俺に牽制をする。
「分かってるよ。絶対言わない」
稜ちゃんに片目を瞑って見せて、本来の目的のため聖華ちゃんの方へ歩き出す。
「ね、聖華ちゃん、今日暇?」
「えっ?」
ちょっと微笑みながらそう問えば、驚いたように目を見開く。
「いや、暇ならさ。友也と稜ちゃんとダブルデート、しない?」
「はい、します!!」
俺の質問が終わる前に、食い気味で返された。
「ちょ、おい!!」
稜ちゃんはなんだか不満そうだったけど、聖華ちゃんの迫力に押されて了解した。