Bad Girl~不良少女~



「……このことは誰にも言わないからな、稜」


「え、ちょ、香矢!?」


明らかに誤解してる香矢。


その誤解を解くことが出来ないまま座り込んでいるうち。


香矢の後を追おうにも、立ち上がる気力がないから無理。


「あー!!栗崎のバカ!!」


ちっちゃく呟くように悪態をついても今更さっきの出来事がなかったことに出来るわけじゃない。


香矢のことだから、誰かに言うってことはないと思うんだけど…。


でもやっぱ誤解は解かなきゃ。


「ちょっと待って香矢!!」


なんとか気力を奮い起こして香矢のあとを追っかけた。


もう廊下には香矢の姿はなく、きっと部屋に戻っちゃったんだろう。


香矢の部屋の前まで行って、ドアをノックする。


「香矢。入っぞ」


向こうの返事も聞かず、勝手にドアを開けて中に入る。


豆電で寝てるんだ、香矢。


…そんなことどーでもいいんだった。


「香矢。さっきのことだけど」


ベッドに横たわってる香矢のそばに座って顔を覗き込む。


「別に今更いいよ。お前と栗崎の関係分かったし」


「だからそれ誤解」


やっぱ、完全に誤解してる。
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