時雨の夜に
「澄川マナミです」

「澄川さん、か。俺はシグレ」

「シグレ……さん? 名字が? それとも名前?」

「面白いこと言うね。シグレはシグレだよ」

「……22、3歳くらい……?」

「当たり。澄川さんは高校生?」

「ハタチです」

「なんだ、意外と童顔?」

「それ言われたくないんですけど!」


シグレという男はふふっと笑っている。
雨が似合う、爽やかな瞳で。

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