時雨の夜に
彼の好きな趣味には全部触れたし、彼が好むことなら何でもしてあげた。


──でも、3年記念日の日に、とうとう別れを告げられてしまったのだ。



「──なるほど。要するに、澄川さんよりも好きな人ができたんだな」

「そう言われると痛いんですけど……」

「それは仕方ないよね」


彼の無神経さに、一瞬カチンときた。


「仕方ない!? 私が全部悪いってことですか!?」


そう言った途端に、シグレは苦笑を浮かべた。

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