不思議病-フシギビョウ-は死に至る
「ははは、あとたった二人じゃないか」
その二人が来ないから苦労しているんじゃないのか?
なんつーか、気楽な部長だ……。
「でも、それは困ります……」
少女がしんみりと言った。
部活として認められなかったら、オレだって困る。
ここに来た意味がない。
「そう!困るのだよ!」
あんたはテンション高くてわかんねえよ。
「二人とも、どうする?」
それは、文芸部入部をやめ別の部活に行くのか、という意味だろう。
確かに今日は入部届提出の最終日。
ほとんどの生徒はもう部活を決めてしまっただろう。
今から勧誘していては遅い。
だからそれは質問ではなく、諦めた方がいいというアドバイスなのだろう。
仕方がない。
メンドクサイが別の部活に……。
「私は諦めたくありません」
少女はそう言った。
ああそう。
オレはどうでもいい。
「オレはべ……」
「そうか!キミが諦めたくないのなら!ワタシも決して折れたりしない!!」
オレの意見は聞かないのか。
「キミのために努力しようじゃないか!キミ、名前は?」
「リンです」
少女の名前はリンと言うらしい。
いやオレの話を……。