不思議病-フシギビョウ-は死に至る
「諸君、なんとも遠慮深い……」
キョウスケ、妙なことで感心するな。
「ふむ、まあ一年同士で仲良くやりたまえ」
「友達作ってきなよー」
集団宿泊。
メンドクサイと思っていたが、少しは期待できそうだ。
基本クラス単位の行動なので、リンや藤沢と行動すると思うが。
「ここからが本当の地獄だ……」
「そんな前振りはいらん、サヤ」
「お前はまだ本当の地獄を知らないんだー……」
サヤは知っているのか。
「だーだーだー」
サヤはうめきながらリンを追いかける。
「な、なんですか」
リンは逃げる。
サヤは追う。
そんなさまをぼうっと見ていた。
「落ち着け二人とも」
しばらく経ったあたりでエイヤが制止する。
オレは見ているだけで楽しかったのだが。
ほんの一週間の出来事だった。
ここまでふざけあいができるようになるとは。
オレもずいぶん心変わりしたものだ。
空は高く澄み渡って、少しばかり夏の訪れを見せ始めていた。
オレはきっと、来年もここで、この空を見るのだろうか。
なんて、物思いに耽っていた。
「……では、いつもの活動に戻ろうか」
「この部は何の活動をしているんだ?」