不思議病-フシギビョウ-は死に至る
「そんなときのためにほら」
藤沢はでかいカバンの中を漁る。
「……なんと!携帯ゲーム機だ!」
「藤沢!なんていいものを持ってきているんだ!」
いたく感謝する!
「ナオキのことだから忘れていると思ってね……ほら、二台持ってきたんだよ」
何で二台……?
「オレのじゃねえか、それ!何で持ってんだよ!」
「ナオキが家に忘れていったんだよ!!」
あれ……?
そうだったっけか。
「うーん……何だか褒めていいのかどうかわからなくなった」
というかオレはそこまで世話されなきゃいけないのか。
「不真面目ですよ、二人とも。ゲームだなんて」
リンが言った。
うん、リンは真面目だからな。
「ケータイがいいのに携帯ゲーム機がダメなんておかしな話だろ」
「おかしくありません。そもそもケータイも禁止されています」
そうだっただろうか?
しおりを読んでいないから知らない。
「まあまあ……毎年こんなもんだよ」
そうですか?としぶしぶ納得するリン。
リンは少々ガンコなところがあるが、それほど口うるさくは言わない。
オレはこの行事を楽しめればいいと思っている。
リンもそうなのだといい。