不思議病-フシギビョウ-は死に至る
長い話も、バス亭に着いたところで切り上げる。
いつもどおり、オレと藤沢、その後にリンが付いてくる。
だが、校庭には何台かの、オレたちがいつも乗っているバスと色の違うバスが並んで見えた。
オレたちはこれから集団宿泊に向かう。
オレたちはそのまま体育館に入り、同行する教師達の注意を受ける。
この学校の生徒としての振る舞いを。
人として挨拶を。
規則正しい生活を。
そして、校長の話を。
オレにとってはどれもくだらない話だった。
だが、その話は長くなかった。
予定が後に押すより都合がいいのだろう。
とりあえず、空気の読める教師陣だ。
話も終わり、バスに荷物を載せる。
早いもの順にバスに乗り込み、自由に席を支配する。
絶対に負けられない戦いが、そこにある。
さっさと荷物を載せ、入り口に飛び込む。
車内を見渡すが、誰もいない。
ふっ……速さが足りない。
一番乗りなので席は……。
「……どうしていつもと同じ席なの?」
運転手の真後ろの席に座るオレ。
やっぱりここじゃないと落ち着かない。
「藤沢、お前オレのとなりな」