不思議病-フシギビョウ-は死に至る


長い話も、バス亭に着いたところで切り上げる。

いつもどおり、オレと藤沢、その後にリンが付いてくる。

だが、校庭には何台かの、オレたちがいつも乗っているバスと色の違うバスが並んで見えた。



オレたちはこれから集団宿泊に向かう。



オレたちはそのまま体育館に入り、同行する教師達の注意を受ける。

この学校の生徒としての振る舞いを。

人として挨拶を。

規則正しい生活を。

そして、校長の話を。

オレにとってはどれもくだらない話だった。

だが、その話は長くなかった。

予定が後に押すより都合がいいのだろう。

とりあえず、空気の読める教師陣だ。





話も終わり、バスに荷物を載せる。

早いもの順にバスに乗り込み、自由に席を支配する。

絶対に負けられない戦いが、そこにある。



さっさと荷物を載せ、入り口に飛び込む。

車内を見渡すが、誰もいない。

ふっ……速さが足りない。

一番乗りなので席は……。



「……どうしていつもと同じ席なの?」

運転手の真後ろの席に座るオレ。

やっぱりここじゃないと落ち着かない。

「藤沢、お前オレのとなりな」


< 112 / 248 >

この作品をシェア

pagetop