不思議病-フシギビョウ-は死に至る


「はいはい……」

藤沢はあきれた表情を見せる。

察するに『つまらないことにはやる気を出すよなあ』と。

「悪かったな!」

「え!?何が!?」





その後、乗車率が半分を超えた辺りでリンが乗り込んできた。

オレにしてみれば遅い。

「おい、リン」



「……なんですか?」



「お前、オレの後ろの席な」

すると、リンが怪訝な顔をする。

「……なんでですか?」

「……え?」

リンは一人、バスの後方へ歩いていく。

「え、なんで?」

オレがそれをぼうっと眺めていると、藤沢がオレの肩をたたいて、

「女の子は女の子で集まるものなんだよ」

と言った。

確かにそうだ。

仕方ない、他の誰かを座らせるか……。



「なんだ、お前ら先頭に座ったのか。じゃあこれはここに……」

うちのクラス担任が持っていたダンボールをオレたちの後ろの席に乗せる。

「……なんだよ、これ」

「寮生の弁当だ。学校から支給されるんだよ」

「わざわざオレたちの後ろに乗せなくても」

「ナオキ、それは僕らが後ろの席に座るしかないよ」

というわけで、しぶしぶ一つ後ろの席に移った。

ちくしょう。


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