不思議病-フシギビョウ-は死に至る
他に誰かオレみたいな奴はいないだろうか。
この際、他のクラスの人間でもいい。
辺りを見渡す。
すると、いた。
暇そうに立っている生徒が……って。
リンだ。
一人で何しているんだろう?
リンはこちらに気づいていないようだった。
仕方ない。
オレはリンの元へ駆け寄っていった。
「何しているんだ、リン」
「……ナオキさんには、私が何かしているように見えますか?」
いや、見えない。
つまり、リンも暇ってことだ。
バスで一緒にいた連中はどうしたんだろう。
そう考えたところで、よくない想像が浮かんできた。
想像、というよりは、これがここにいる理由なのかもしれない。
それは、
「……他の人間と馬が合わないってのは、誰でもよくあることだ」
オレは、口に出していた。
「……そう、ですか」
おそらくリンは、自分から輪に入っていくのが苦手なタイプなんだろう。
――部活も、オレが話を振るから輪に入っていけているのかもしれない。
こういうのはあんまりズバズバ言うもんじゃないが。
「まあ、オレだってそうだ」
「そうは見えないです」
「あらゆる人間が誰とでもすぐ仲良く出来るってわけじゃないんだよ」