不思議病-フシギビョウ-は死に至る
「こんなところ、土産屋以外にどこ回るのよ。ね、エイヤ」
「……俺はそうでもなかった」
「何をー!」
ああ、なんという不真面目な連中だ。
文芸部とはそんな素質の人間の集まりらしい。
というか、結局文芸部四人で集まってしまった。
……しかし、行きで土産買うなんて帰りがメンドクサイだろ。
「リンちゃんも一緒に土産見ようよ」
「え、あ、はい」
うなだれているように見えたリンも、いつもの様子に戻っていた。
「……って、オレも誘えよ!」
「何言ってんの」
お、サヤはオレを評価してくれるのか?
「……あんたはリンの荷物持ち」
「ああ!?」
何だか不良っぽい返し方になってしまった。
「冗談、冗談」
「俺はサヤの荷物持ちだけどな」
なるほど、エイヤの持っている紙袋はサヤのものか。
「だってエイヤ、何も買わないんだもん」
「だからって俺が荷物持ちになる道理がない」
そのとおりだ。
が、サヤはすでにリンの肩を持って、売店のあるほうに歩き出していた。
「……エイヤもいろいろあるんだな」
「まあ……な」
長身でがたいがいいエイヤはとてもパシリ気質には見えないが……サヤはかなり人使いが荒いのかもしれない。