不思議病-フシギビョウ-は死に至る
「ナオキさん」
リンは入れ知恵をされたようだ。
さて、オレは何を買わされるのか。
「……あの木刀が欲しいです」
「外人か!?いらねえよ!どこでも見かけるけど一番いらないものだ!!」
「リンちゃーん」
また、サヤがリンを手招きし、耳打ちする。
リンはそれを聞いて、はっ、と驚いた顔をする。
なんだよ、次は。
リンはこちらに向かってきて、一言言った。
「……欧米かっ」
「時間差!あとそのツッコミオレがすべき!!」
リンはサヤのところへ戻っていった。
また次の案を考えているようだ……って早々に目的が変わっているぞ。
「ったく、オレはなんて返せばいいんだよ」
「……たとえば、『ははは、確かに欧米だったね』とか」
「エイヤ、ボケやツッコミを受け流すこと。それは芸人殺しと呼ぶんだ」
売店に漫才しに来たわけじゃないが。
っと、リンがこっちに来た。
「別にいらなかったです」
「……別にオレ、ひもじくないぞ」
「別に」
……そう言われると、なんだかオレが悪いみたいに……。
「それか!?買わせようとするのが狙いか!?」
リンの後方のサヤを見る。
「ちっ」
「『ちっ』ってなんだよ、おい!!」