不思議病-フシギビョウ-は死に至る


話によると、山歩きは部屋単位で回るらしい。

よって、ここに真夜中のレーサー達が集った。

ちなみに、誰も勝敗を憶えていない。

……よし、士気を高めよう。

「円になろうぜ」

ルームメイト八人が円陣を組む。

「お前ら!いいか!」

オレは叫ぶ。

「――オレたち一人でも欠けてはならない!そして、相手を一人でも欠かしてはならない」

「何のセリフ!?」

藤沢が突っ込む。

次にオレの左の奴が、

「君を作る一つ一つが!あの日のみんなの笑顔!」

「いいこと言っているように聞こえるけど意味がわからないよ!」

時計回りで、次の奴。

「すまん!……俺死んだわ」

「処刑でもされそうなの!?」

「この土地を訪れるもろもろの国の旅人達よ。故郷に帰ったら伝えてくれよ。この土地を守るために、日本軍人は全員玉砕して果てた。その壮絶極まる勇気と祖国を想う心根を!」

「玉砕してないよ!!」

「言うまで無い……事故に見せかけてくる!」

「処刑が!?玉砕が!?」

「勝 て ば 負 け な い」

「確かにそうだけどさ!!」

「あきらめさせたらそこで試合終了ですよ」

「それ『あきらめたら』!」

そして藤沢の番。



「がおー」(「・ω・)「



「解散」

「無視しないでよ!!」


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