不思議病-フシギビョウ-は死に至る


何時間歩いただろうか。

オレたちはコンクリートで固められた道に出た。

「……見て!」

藤沢が指差した方向、青少年の家が見えた。

……かなり高いところまで登ってきたんだな。

この道を下っていけばやがて着くだろう。

そう、オレたちは生還するのだ。



「何でこんな大変だったんだ?」

「キミたちのせいだよ!」

「オレたちのせいじゃねえよ!!」

しかし、足が棒になるほど歩いたなあ。





時間はちょうどいいくらいだったのだが。

チェックポイントを一つも通らなかったオレたちは当然怒られた。





夕食。

当たり前のように空いているオレたちの席。

そこに座る。

……だが、席が一つ空いていた。

「……リンは?」

オレはその席の主の所在を尋ねた。

「リンちゃんなら、他のところに行ったわよ」

サヤが答えた。

……まあ、わざわざオレたちに付き合う必要もないか。

席に着き、夕食を口に入れる。



「そういえば」

オレは疑問に思っていたんだが。

「……オレたちいつ帰るんだ?今帰ったら暗くなっているぞ」

……なぜか、他の連中の目が冷たい。


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