不思議病-フシギビョウ-は死に至る


「そこでナオキ……じゃなかった変態、行ってきてくれたまえ」

「違う。あと自分で行け」

「……どうせ鍵、閉まってるだろ」

そんな感じに終了した。

まあ合宿なんてこんなものだろう、と思う。





夜が明けた。



昨日の荒れ具合はどこへやら、いつもと変わりないような朝だった。

いつもどおりの文芸部。

ただ合宿に来ただけでいつもと変わらない。

ただ、それでもいいと思う。





朝食。

バイキングだった。

とりあえずあわてる必要もないので集団宿泊のときのようにはしない。

落ち着いて取り、六人が同じ机に座る。



「そういえば話しておきたいことがあった」

キョウスケが言った。

なんてことはない、普段どおりのキョウスケが、

「ワタシは総会屋の跡取りなんだよ」

さらっと言った。



……総会屋ってなんだっけ。



確かほら、怖い人たちのことだ。



「……ヤクザ?」

「そうとも言うね」

朝、テンションの低いときにリアクションが取りにくい。

「とりあえず驚けばいいのか?」

なんとなくリンの方を向く。

「……だからケンカが強かったんですか」

リンはさほど驚いていない。


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