不思議病-フシギビョウ-は死に至る


「で、それがどうかしたんですか先輩」

サヤは昨日から元気になった。

「……タチの悪い冗談を」

エイヤも。

キョウスケも普段と変わらない。

「なに、困ったことがあったらいつでもワタシのところを訪ねてきてくれればいい」

困るって、なあ。

カナコは特に驚いた様子はなかった。

まあ長くキョウスケと一緒にいるんだから知っていても当然か。

でも、

「そんなこと言わなくてもいいだろ」

正直、ちょっと重い話題で反応に困る。

そこで、カナコが言う。

「……言ったら、キョウスケくんに偏見ができるんじゃないかって、今まで黙ってたんだよ。で、律儀な人だから話そうってことに」

「まあ、もっと頼ってくれてもいいってことだよ。頼りすぎはいけないがね」

……キョウスケは優しいのか優しくないのか。

いや、優しいんだけどそういう内面を外に出すのが苦手なんだろう。



リンが昨日言ったことを思い出す。

『ちゃんと見ておかないといけませんよ。人の行動や言葉には何かしら意味があるんですから』。

……つまり、キョウスケに認められたってことだよな。


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