不思議病-フシギビョウ-は死に至る
「その『いつも』に、オレの日常にリンが参加しているんだよ!」
(∵)こんな顔されたんだけど、なんでだろう。
「そうですか」
なんだかリンが素っ気無い。
なんでこの感動が伝わらないんだろう。
もしかして、オレだけか?
いや、もっとうまく言葉にすればいい。
この正直な気持ちを……。
「つまり……リンがいると安心するんだ」
「……えと」
リンが何か言おうとして、顔をうつむかせる。
広げた文庫本で顔を隠してしまう。
だが、なぜか耳が赤い。
オレ、何かまずいことでも言っただろうか?
「もう一回言うぞ。オレがこの席に座って、リンがその席に座って、いつも一緒だから安心するんだ。
嬉しいんだよ」
……リンがまた隠れたんだが、なんでだ?
今度ははっきりと言おう。
「いつもそこにいてほしい」
「……」
変わらず。
あるぇー?おっかしぃーなー。
リンが少し顔を出す。
「……そんな恥ずかしいこと、よく堂々と言えますね」
恥ずかしい?
もしかして朝っぱらからオレがハイテンションで持論を展開するのが世間一般から見るにとても恥ずかしいことなのだろうか?
これは考え方を改めなくてはいけない。