不思議病-フシギビョウ-は死に至る


授業というのは本当につまらない。

ただ黒板の文字をノートに写し取るだけの作業。

その連続

そんなのが面白いわけがない。

授業が面白いっていうやつは多分、オレとはやっていることが違うんだと思う。





休み時間。

「学校の授業って面白いか?」

オレはリンに聞いてみた。



「……楽しいです」



「あー、授業中オレとお前は違うことをしているんだ」

「ちょくちょく寝てますもんね、ナオキさん」

「寝ているんじゃない精神統一しているんだ」

「ナオキーさっきの問題がー、ってそっか。ナオキはさっきの時間寝てたよね」

「寝ているんじゃない瞑想しているんだ」

しかしわからない。

どうして授業が面白いなんて言えるんだろう?

誰も高い金払ってまで睡眠剤を買いたいわけじゃない。

……はずだ。

リンはどう思って授業を受けているんだろう……?





そんなことを考えていても時間は過ぎ、授業も終わるわけで、今はホームルーム。

クラス担任が現れて短い口上を読み上げる。

そんなのはなしにして、授業終わったらすぐに帰っていいようにすればいいのに。
オレはそう思う。

「えー、来週の水曜日は集団宿泊があります」

その担任の言葉にはっと気付く。

この学校は入学して間もなく集団宿泊に行く。

うわあ……メンドクサイ。


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