不思議病-フシギビョウ-は死に至る
「たまに休学処分とかあるよね」
「ああいうのは何年何組まできちんと書いてあるからね。匿名性がないとは素晴らしいことだよ」
何を言っているんだこの人は。
「話を戻すけど、班などはクラス内での割り振りが多いよ。まだ入学して間もない、というのが理由かな」
「ちなみに、女湯を覗こうとしても無理だ。ここは現実を見なければいけない」
「どうして?」
オレは反射的に聞いたんだが。
なぜか返答が返ってこない。
「そんなに見たいんですか?」
リンが冷たく言った。
「え、いや、オレ?」
「あんた、そんなこと考えてたの……!」
「考えてないから、『……!』はやめろ」
「わたし、ホールの掲示板をよく確認するようにするよ」
「いやいやカナコ先輩?」
なんでオレ冷たくされてるんだ?
「『普段は大人しくていい子でした』って証言する」
エイヤ、お前はたまにしかしゃべらないのにダイレクトアタックするな。
「ははは、出歯亀気質の持ち主とは驚いたよ?」
「あんたが原因だ!」
「常に教員が見張っているから注意したまえ、と言いたかったのだが。下手に抜け出そうとして見つかっては……ワタシもホールの掲示板をカナコ君と一緒に確認するとしよう」
「別に抜け出さねえよ!」