不思議病-フシギビョウ-は死に至る


そして今、バスに乗り込んだところだ。

昨日の今日でリンがいきなり景気よく話すなんてないと思っていたんだが、違ったようだった。



「新入部員歓迎会っていつになるんでしょうね」



なんかリンがうきうきしている。



「さあ?」

「ナオキさんはいつがいいですか?」

そんなことを聞く。



いつがいいか……そんなのオレには関係ない。

オレは、今週いっぱいであの文芸部に行かなくなるというのに。

大体、休日になったらメンドクサイだろ。

そう、オレは部活に行かなくなるから、いつになっても関係ない。




だが、

「オレはいつでもいいぜ」

と答える自分がいた。

メンドクサイとは思う。
だが……楽しいとも思うのだ。

中学校の頃、部活にまったく参加しなかったからか、オレは部活というものを侮っていたのかもしれない。

忙しい、時間がなくなったというのに、『充実している』なんて言葉が出てくる。

そう、オレは、

「かなり迷惑がられそうな会になるぞ」

なんだかんだで、期待していた。



きっと、リンも同じなんだろう。


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