不思議病-フシギビョウ-は死に至る


「役員候補は生徒会役員候補のことだよ。――僕がなるんだ」

なんだ、それ。

「生徒会役員って選挙するものなんじゃないのか?」

「この学校は一年のうちに有志を募ってるみたいだよ。――僕がなるんだ」

まあ選挙の演説はうざったいからな。
いちいち投票するのも学校行事みたいに扱われているのもメンドクサイ。

「ですけど、癒着とか犯罪のにおいがしますね」

「どうせ、立候補者が一人しかいない、なんてこともあるからね。こっちのほうが賢明なんじゃないかな。――僕がなるんだ」

よくわからん。

「まあ生徒会なんて体育祭の開会式で話す以外仕事ないだろ」

「いやいや、会計とか、いろいろ忙しいんだよ。それだけやりがいがあるんだけどね。――僕がなるんだ」

とりあえず、メンドクサイ仕事だってことはわかった。
オレがなれそうにないくらいの。

「ナオキさん、委員会どうします?」

「オレは……どうしよう。やりたくない」

「あんたら鬼ですか!?」

藤沢が叫ぶ。

「どうした藤沢?」

「生徒会役員候補に僕がなるって言ってるのに、どうしてノーコメントなのさ」

「どうしてつらい仕事をわざわざ選ぶのかと」

「藤沢さんってそんなに目立ちたがり屋だったんですか」

「ああ!やっぱいい!聞かなかったらよかった」

そうだろうよ。


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