不思議病-フシギビョウ-は死に至る
そして、この話題は文芸部まで持ち越した。
「三年は皆、無所属だ」
「受験勉強があるのに、そんな余裕どこにもないよ」
まあその通りだ。
「しかし、残念だったねリン君!いろいろ体験したほうが面白いというのに!」
「メンドクサイだけだろ」
オレが突っ込む。
「なに、苦労するから喜びが得られるのだ!不幸なくして幸福なし!」
なんか訓辞みたいだ。
「あたしも入らなかった」
「俺も」
結局、文芸部員は誰も委員会に入らなかったというわけか。
「大体、みんなやりたくないのにそんな制度があることが問題よ」
「……」
リンがスルー。
「ああ、えーっと、リンちゃーん?」
あ、そっか。
オレが小声で、
「リンは図書委員に入りたかったんだとさ」
とサヤに伝える。
「うん。……来年までじゃんけんの特訓をしよう」
サヤが取り繕った。
というか、どこもじゃんけんで決着つけるのか。
「……しかし、やりたい奴がいるならともかく、やりたくない奴にことを委ねるなんて正気の沙汰とは思えない」
エイヤが言った。
「クラス全員を採用してないから、一応わかっているんだろ」
それじゃあ仕事がはかどらないことを。
「仕事……というか教育の一環なんじゃないかな」
カナコが正論だと思うが。