不思議病-フシギビョウ-は死に至る


「潰れますね」

そりゃねーよ!

一週間のうち休みもせず来週に疲れを持ち越せってか?

「……サボりたい」

「はい?」

「ナオキ。どっちをサボってもダメだよ」

藤沢が嫌味な笑いを浮かべながら言った。

このやろう。
オレにとって休日がいかに大事かを知っているのか。

「休日はなあ!車にとってのガソリンのようなものなんだよ」

少しの沈黙。

「それだと人間が何も食べないニュアンスの方が近いね」

「えー?わからないのか?この気持ち」

他人に理解されないとはこんなにつらいものなのか。

「ナオキさん。こんな話を知っていますか?」

「何だ、リン」

「蛍光灯って、点けたり消したりしてると消耗が速いらしいですよ」

休み休みだと効率が悪いってか……。

……。

「それはオレに断続的に働けと言っているのか!?」

しかし、どっちか休めないものか。

「土曜日は?」

「ダメです」

「日曜?」

「集団宿泊行けなくなるよー」

「だああ!どっち!?」

「どっちもだよ!!」

……グッバイ、オレの休日。


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