不思議病-フシギビョウ-は死に至る
少女は背がオレのアゴほど、その容姿にはまだ幼さがある。
だから、『少女』という言葉がとても似合っていた。
見ていると、なんだか小動物的なかわいさがある。
おそらくオレと同級生だろう。
制服のサイズがぴったりとは言えなかった。
「あの」
その少女が口を開く。
「文芸部の方ですか?」
もしも文芸部員なら、こんなことはフツー聞かないだろう。
どうやら少女は一年生らしい。
……これはチャンスだ。
「あ〜、オレ、文芸部に入部希望で来たんだけど。一年?」
もしも相手が同じ文芸部入部希望なら、一緒に入っていけば問題ない。
「はい。……私も入部希望です」
よしッ!!
「行こうぜ」
あ、名前……。
まあ聞かなくてもいいか。
どうせオレは、すぐに来なくなるだろうから。
そんなことを考えながら。
さっきとうってかわって、オレは堂々と……。
扉を開いた。