不思議病-フシギビョウ-は死に至る
キョウスケは普段と変わらない表情をしている。
「ここからは、腹を割っていこうじゃないか」
――キョウスケは、それを促すために言ったのだろう。
リンならともかく、あとの二人に問い詰めてもこの状況になった。
偶然オレになっただけで。
「おい!オレ言われ損じゃねーか!!」
「だから言っただろう!『キミに振ったのはいつものノリだ』と!!」
「まあまあ落ち着いて。――ナオキくん」
カナコが真剣なまなざしで見つめてくる。
「この部活に入ったことを後悔するのは三年になってからだから」
「意味がわかんねーよ!!」
もうダメだ、この部活。
「さてさて、一層仲が深まったところで」
「深まったのはオレの傷だよ」
「帰りのバスでリン君にでも慰めてもらいたまえ」
「嫌です」
即答された。
「うおおお、5センチは傷が深まった」
「やる気がないなんて……文芸部なめてるんですか?」
「ぐあああ」
「そんな生活、うじ虫、いや、うじ虫以下ですね」
「ぬおおお」
オレが仰向けに倒れそうになったのを、サヤが支える。
「もうやめて!ナオキのライフはゼロよ!!」
「いや、面白いからもっと言ってやれ」
エイヤ、ふざけろ。