不思議病-フシギビョウ-は死に至る
結局、いつもと変わらないふざけあいになっている。
そこへ、こんこん、と扉をたたく音が聞こえた。
外側からノックされている。
「入りたまえ」
キョウスケ、外にもそんなしゃべり方なのか。
「失礼します。生徒会のものですが――活動人数の確認に来ました」
ようやく、か。
「……三、四、五、――六人。――確認しました。合格です」
失礼します、と言ってなんともなかったかのように退室していった。
まるで風のようだ。
月曜日から長かったのに、それはあまりにもあっさり終わってしまった。
「さて、これで今年の文芸部は生徒会のお墨付きで活動できるよ」
「『今年の』と『お墨付き』が気になるんだが」
「ナオキ、キミは心配しいなのだよ」
そうなのか?
ここはスルーなのか?
「――これで毎日活動する理由もなくなったね」
カナコがそう言った。
まあこれから安心して自由欠席できる、幽霊部員になれるってことだ。
さすがに毎日出席するのも気が進まない。
「この部活ももう少しスポ根があれば、皆強制出席のレベルだよ」
「文芸部はスポーツじゃないだろ」
しかし、どれくらい出席しようか。
そんなことを考えていたら、バスの時間になっていた。