不思議病-フシギビョウ-は死に至る


「今日は散々でしたか?」

バスに揺られながら、不意にリンが聞いてきた。



おそらく、幽霊部員になろうとしていたのがバレたことを言っているのだろう。

「まあ、そうだな」

それでも、リンにはすでに見透かされていたことだ。

それはオレの雰囲気からわかるとして――なんでリンは。

「なんでリンは昨日『やっとその気になってくれましたか』なんて言ったんだ?」

ずっと疑問に思っていたことだ。

オレにやる気がないとわかっていたなら、別にオレは要らないんじゃないだろうか?

だったらどうして、期待していた、ような言い方をしたんだ?



その答えは。

「別に、なんでもなかったんですよ」

言って、本で顔を隠す。





はい?

「そんな答えでオレが納得するとでも思っているのかあ!!」

「別になんでもないですよっ!」

納得できん。



「それは……」

本をずらして、こちらを見る。

……顔が、少し赤い。

「帰りのバスで同じ部活に通っている人がいたらいいなって、そう思っただけです!!」

……。

それでも。

「オレでよかったのか?」

やる気のないオレで。

それが知りたい。



「別に、悪い人じゃないかなって……そう思って……」

そう言ってから、また本で顔を隠した。



どこでそう感じたんだろうか?


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