不思議病-フシギビョウ-は死に至る
「ちゃんと来ましたね」
「悪いかー!!」
集合は駅前。
このバスは途中からちがう方向になるので、学校のところのバス停でバスを乗り換えなくてはいけない。
結局、学校まではいつもと同じになる。
「お昼を食べた後はカラオケになるんですよね」
不意にリンが言った。
「そうだな」
それがどうしたんだろうか。
「私……最近の曲を知らないんですよ」
まあ、いらない心配だろう。
「オレもだ。そもそも、カラオケ行くなんて初めてだぜ」
「そうなんですか。私もです」
意外と共通点のある二人だ。
「まあなんとかなるさ」
あのメンバーだから、自分のリクエスト通りの歌しか歌わないなんてことはないだろう。
波乱が予想される。
「……恐ろしいことになりそうだ」
「……そうですね」
リンも同じことを考えていたようだ。
「そのときのオレたちはまだ知らなかった。これが後に『文芸部カラオケ事件』と呼ばれることになるなんて」
「やめてください、そういうの」
「おおーキョウスケ。こんなところで寝るなよ。ん……?リン、そこのジュース取ってくれ」
「はい」
「……同じ温度だ」
「なんで冷たくなってるんですか!?あといらないですよねジュース」