不思議病-フシギビョウ-は死に至る
しょうもない話を続けているうちに、バスは学校前のバス停で停まった。
オレとリンはバスを降りて、駅前へ向かうバスを待つことになる。
「……何か、変だな」
「何がですか?」
「リンも思っただろ。いつも制服を着て立っているバス停なのに、今日は私服なんだぜ」
「……そうですね」
二人は道路の向こうの歩道、いや、もっと遠くを見て話していた。
休日のこの時間は、車の通りが少ない。
そのかわり、休日も活動している野球部やサッカー部の喧騒が聞こえた。
そのいつもと違う感覚に、オレたちは静かに浸っていた。
「……このバスですよ」
オレたちが乗ってきた方の反対方向から来たバス。
表示は駅前に向かうものだ。
「時間通り。間に合うな」
オレはケータイの時計表示を見て、そう言った。
バスに乗る。
日はすでに高く、どの席もゆるい光が射し込んでいる。
乗ったバスに一人席はなく、横に並ぶ二人席があった。
リンは少し迷ったが、二人分空いている席に座る。
それを見たオレは、リンの隣に座った。
「……何で隣に座るんですか」
「……離れて座るのも、何か、アレだろ」