不思議病-フシギビョウ-は死に至る


しょうもない話を続けているうちに、バスは学校前のバス停で停まった。

オレとリンはバスを降りて、駅前へ向かうバスを待つことになる。



「……何か、変だな」

「何がですか?」

「リンも思っただろ。いつも制服を着て立っているバス停なのに、今日は私服なんだぜ」

「……そうですね」

二人は道路の向こうの歩道、いや、もっと遠くを見て話していた。

休日のこの時間は、車の通りが少ない。

そのかわり、休日も活動している野球部やサッカー部の喧騒が聞こえた。

そのいつもと違う感覚に、オレたちは静かに浸っていた。





「……このバスですよ」

オレたちが乗ってきた方の反対方向から来たバス。

表示は駅前に向かうものだ。

「時間通り。間に合うな」

オレはケータイの時計表示を見て、そう言った。





バスに乗る。

日はすでに高く、どの席もゆるい光が射し込んでいる。

乗ったバスに一人席はなく、横に並ぶ二人席があった。

リンは少し迷ったが、二人分空いている席に座る。

それを見たオレは、リンの隣に座った。



「……何で隣に座るんですか」

「……離れて座るのも、何か、アレだろ」


< 79 / 248 >

この作品をシェア

pagetop