学校では教えてくれない"不倫学"
愛を支える「感情」と、実利的なつながりを支える「理性」の両輪があるからこそ、結婚はうまくいきます。式にするなら、

いい結婚=感情×理性

といえるかもしれません。

しかし、愛のない夫婦は、愛がなくなり止まった片側のタイヤを、たとえば「子どものため」というような、ちがう形での「愛」で補おうとします。

そうすれば、目的地に向かって走り出したクルマを、また走らせることができるからです。


熟年離婚をする夫婦の多くは、そうやって走ってきた夫婦なのでしょう。

子どもを運ぶという役目があり、すでに目的地に向かって走り出した以上、たとえ本物の愛がなくても、クルマを止めるわけにはいかないと考えて。

そして、子どもを運ぶという役目を終えたクルマは、目的のために一緒にいただけですから、走るのをやめます。

子ども以外に二人をつなぐ愛がないのですからとうぜんです。

夫婦の間に愛がないと、こういう不幸があるのです。


バカげてますよね?

しかし、あなたにも経験はないでしょうか?

「これ」と決めたら、ひたすら走りつづけるという経験を。

不倫の恋は、愛にあふれた男女関係です。

しかし、愛することばかりにとらわれて、「愛があるから」その関係が永遠で、尊いものだという感情に流されてしまいやすいのです。
いわば、愛のない夫婦と逆の、理性のない男女関係だということです。

「愛しているからといって、必ずしも一緒になれるわけではない」という理性的に考えればわかりそうな「現実」ではなく、「一緒になってくれると約束した」その時の「キモチ」で補おうとするのです。

ですから、その恋は、ちっとも進展しないのです。
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