学校では教えてくれない"不倫学"
日常とはおそろしいもので、そこに情があろうがなかろうが、一緒にすごした時間に比例して、自然とその人を理解していけるようになります。

たとえば、クラスメイトにしても、最初の自己紹介はおぼえていなくても、何気ない会話をくり返していくうちに、その人の性格だったり悪いクセだったりが、だんだんとわかってくるものです。

つまり、これこれこういう人間であると「理解」していくのです。

これは友人だけに限ったことではありません。


しかし、不倫の恋は、それとはちがい、いわば履歴書を見ながら面接している状態にしかすぎないのが現実です。

なにせ、あなたは相手の家庭のなかをのぞき見ることはできず、相手からの情報しかないからです。

「試用期間」があればまた別ですが、相手が離婚していない以上、それもできません。

にもかかわらず、面接をしなければならないワケです。
今の会社よりこの会社がいいと言う人を。

そうなるとあなたは、相手の自己アピールや、あなたへの態度からしか、相手のことを「推測」するしかありません。

「なんで今のとこ辞めて、ウチに入りたいの?」と、悩むのです。


そのギモンをあなたが相手にぶつけたとき、それをふっしょくするかのように、相手は必死にあなたへの想いをアピールすることでしょう。

面接とおなじです。

その場で、「いや、たいしてその気でもないけど」なんて言う人はまずいません。

理由があるから、そこにいるのです。不倫の恋でもおなじです。

ただ、その理由が、面接官に気に入られるためなのか、それとも本気でそこが好きだからかは、人それぞれです。

また、面接で高ポイントだからといって、それが結局、採用して正解というワケでもありません。

せっかく採用しても、入社当日に来なければイミがないのです。


本気度は、面接官であるあなたの目と、そして心で判断するしかないのです。相手からの情報に依存してはいけません。

どういう理由であれ、リスクを犯してまでするのですから、あなたと「一緒にいたい」のは事実なのです。

ですが、その大きさや未来をはかるには、それなりの目が必要なのです。

あなたが逆に、相手にコビを売ってしまっては、軽く見られるに決まっているのです。
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