学校では教えてくれない"不倫学"
おわりに 「二人の夢」
「この人となら」

不倫の恋にハマる人はだれでも、おなじことを思ったことがあるのではないでしょうか?

今までさんざん遊んできたのにこの人の前ではちがうとか、
こんなに相手に執着したことはないとか、
今まで出逢った人のなかで一番だと思ったとか、

あなたにとって、目の前の人が、たんなる「好きな人」や「恋人」を超えた存在になるのです。

しかし、皮肉なことにその想いこそが、不倫の恋をする人たちに悩みや苦しみをもたらすのです。

人はそれを、
不倫だからスリルを楽しんでるだけとか、
自分のことしか考えない身勝手な恋愛だとか、
人のものだからよく見えるだけだとか、

いろいろと言いますが、そのどれもが、あなたにとっての答えにはならないのではないでしょうか?


そもそも、不倫の恋で、あなたは何に悩み、苦しんでいるのでしょう?

それがわかれば、答えは出たもどうぜんです。しかし、あなたにはそれが見つけ出せないのです。

それはなぜだかわかりますか?

それは、あなたが、「相手を見ている自分」ばかりを見ているからです。

それでは答えなど出るハズもなく、逆に「相手のことを考えすぎている」事実から離れられなくなってしまいます。

しかも、とっくに好きなキモチがなくとも、その状態がつづくことで、「やっぱり私はあの人が好きなんだ」と自家中毒をおこしてしまうのです。


なぜこんなことが起こるのか?

不倫の恋では、信じられないくらいガマンをします。

それができるのはひとえに、あなたの「夢」のためなのです。「愛」のためではありません。

愛ならば、あなたは苦しむことはないのです。与えることに、受けとめることに喜びを感じるからです。

ですが、あなたが「ほしい」と思ってる、つまり、相手があなたの「夢」になっているから、あなたは、いつか夢見た日がやってくることを信じてガマンするのです。

そのこと自体が悪いことだとは言いません。

しかし、そういった想いの源泉を見まちがうと、ひとつひとつの行動や反応に、本来とはちがったイミを解釈してしまうようになるのです。

逢えただけでもうれしく、はげしく愛しあえたというのに、帰ってしまうことが、一種の見捨てられた感を感じさせるように。
< 84 / 86 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop