月は太陽に恋をした
『あれは…森下?』
多分森下だな、だけどあんなとこで何してんだ?
まぁ別に関係ねぇか。
と思って歩き出すと森下の表情がはっきりと見えた。
『―…?』
面識のあんまりねぇ俺は森下は笑顔のイメージしかなかった。
いつも笑っていて、何がそんなに面白いんだ?ってぐらい笑っていて、周りから引かれてる俺にも笑いかける変わった奴。
『…あいつ』
なのになんで…
あんなに泣きそうな顔してるんだ?
川を見つめて俯く森下の表情には、いつもみたいな明るさは微塵も感じられなかった。