月は太陽に恋をした
…何かあったのか?
いや、まぁ俺には関係ねぇな。
俺は森下から目を反らしコンビニへと歩き始めた。
『どうせ俺が関わった所で仕方ねぇしな』
独り言をこぼしながら少し先にあるコンビニに入ると、いつも買っている雑誌の発売日が今日だったのを思い出した。
『…ついでに買ってくか』
ぺらぺらと立ち読みを始めると、外で雨が降って来たのが分かった。
雨かよ…そういえば雲ってたっけ。
ため息をこぼして雑誌を持って弁当を選んでレジに並んだ。
「678円になります!」
『…あ、そこの傘も』
「はい、すぐ使えるように開けておきますね」
見事な営業スマイルを見せられて俺は頭だけ少し下げた。
「ありがとうございました」
『…けっこう降ってるな』
パサリと雨の中をビニール傘を開いて俺は歩き始めた。