月は太陽に恋をした

『…なにが無理に笑わなくて良い、だよ』

ばかじゃねぇのか、おれ。
何も知らねぇのに何言ってんだろうな。


『…ッくしゅん!』

はぁ…風呂でも入るか。

寒さに負けて家に入ってすぐ、雨でべたべたになった衣服を脱ぎ捨てて、シャワーを浴びはじめた。


シャワーを浴びはじめると、さっきまでうるさいほどに聞こえた雨音が嘘のように聞こえなくなった。

『…ッくしゅん!、あー…風邪ひいたか?』

頭をタオルでガシガシと拭きながら鼻をすすっていると、鼻水が止まらなくなってきた。

『飯食って早く寝るか…』


買ってきたコンビニの袋を見て俺は思った。

『…あ』

中を見るとべたべたになっている弁当と雑誌が目に入った。

雨の中歩いてたらそりゃ濡れるわな…

俺はそう分かっていても、なんとなく疲れた気分になったから寝ることにした。



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