月は太陽に恋をした
晴れない気持ち
『はっ、くしゅん!』
くっそ、喉まで痛ぇじゃんか。
完全に風邪だな。
今日は休むか。
そう決め込んでもう一度布団に戻ると、すぐに睡魔に襲われた。
―…
『…ん』
寝すぎてなのか、風邪のせいかは分からないけどだるい身体を起こすと、窓の外は茜色に染まっていた。
『…俺、寝すぎだよな』
自分が寝た時間を考えると少し笑えてしまった。
『腹減ったしな…』
そう思い視線を泳がせると、机の上に置かれたコンビニ弁当が目に映った。
昨日のびしょ濡れのから揚げ弁当。
まぁ中は濡れてないだろうから大丈夫だろうな。
そう思って俺はから揚げ弁当を食べた。
食べながらふっ、と昨日の夕方の森下の顔が浮かんだ。
『…何が、あったんだ……』
自分で気にしても仕方ねぇとは分かりながらも、何故か頭に浮かんできてしまうのは森下の顔だった。