立花香織の秘密
「どこまでも無責任なボスねー。まぁ、いいけど?」
私はこう言ったけど、本当はイヤだ!
血をあげちゃうと、自分が飢えるから……。
私は吸血行為があんまり好きじゃないから……。
今だって、この屋敷は血の臭いが充満してるから、前から飢えてる私にとって、最悪な状態なのよ……。
なのに、血が流れれば、もっと飢えるのにあげないわけには、いけない。

ダッテ、ボスノ命令ダカラ……。

「ウフフ。ありがとう、香織。いただきます」
華鈴はすごく嬉しそうな声で、私の耳元で囁いた。
そして、首筋に鈍い痛みが走った。
「……っ!!」
華鈴てば、深く噛みすぎ!
痛い!!
しかも、どんだけ飢えてるのよ!
最悪……!
やっぱりイヤっていえばよかった。
そんな事を思ってイラついていると、華鈴のご飯タイムが終わってくれた。
「ごちそうさまでした! やっぱり香織の血は美味しい!」
元気よくそう言ってきた。
「それは良かったわね!!」
私はキツめの声で言った。
「もしかして、怒ってる?」
華鈴がそんな事聞いてくるから、どんどんイラついてくる。
だから、どなってやった。



「怒ってるに決まってるでしょ!!!!」





< 34 / 84 >

この作品をシェア

pagetop